甲斐荘楠音の全貌—絵画、演劇、映画を越境する個性

京都市 京都国立近代美術館 TEL.075-761-4111

開催期間:2023年2月11日(土・祝)~4月9日(日)

大正から昭和初期に「国画創作協会(国展)」の日本画家として活躍した甲斐荘楠音(かいのしょう・ただおと、1894〜1978)は、1940年代初期に画業を中断。映画業界に転身して時代考証、風俗考証や衣裳考証に携わった。1970年代半ばから画業再評価の機運が高まり、没後20年を経た1997年に「大正日本画の異才—いきづく情念 甲斐庄楠音展」(京都国立近代美術館、笠岡市立竹喬美術館)が開催され、日本画家としての活動の全貌が初めて紹介され「京都画壇の異才」という定評が確立した。今展では、「序章 描く人」「第1章 こだわる人」「第2章 演じる人」「第3章 越境する人」「終章 数奇な人」という構成のもとに、絵画の代表作に加え、人物や歌舞伎などのスケッチ、俳優や仏像などの写真を張り込んだスクラップブック、自ら花魁や女形に扮した写真、映像、関わった映画衣裳やポスターなど、甲斐荘楠音に関する資料の全てを等しく展示。異色の日本画家から「複雑かつ多面的な個性をもつ表現者」へ、甲斐荘楠音を再定義する。

東京ステーションギャラリー 2023年7月1日(土)〜8月27日(日)