未完の始まり:未来のヴンダーカンマー

豊田市 豊田市美術館 TEL.0565-34-6610

開催期間:2024年1月20日(土)~5月6日(月・振休)

2024年4月26日、美術館の隣に地域の歴史・文化・産業や自然などをテーマにした総合博物館が開館するのに向けた展覧会。15世紀のヨーロッパで始まった「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」には、絵画や彫刻に加え、動物の剥製や植物標本、地図や天球儀、東洋の陶磁器など、世界中からあらゆる美しいもの、珍しいものが集められ、美術館や博物館の原型とされている。今展では、歴史や資料を調査・収集して、現代のテクノロジーを交えながら、時を超えた事物の編み直しを試みる5人の作家を紹介し、文化表象の実践の場としてのミュージアムの未来の可能性を探る。出品作家は、急激に変化する中国の姿を映し出すリウ・チュアン(1978〜、湖北省生まれ、上海拠点)、旧ソビエト連邦下にあったダゲスタン共和国の自身のルーツをもとに、近代以降の 伝統のありか、文化の真正性、国家と結びつくアイデンティティを考察するタウス・マハチェヴァ(1983〜、モスクワ生まれ、モスクワ及びドバイ拠点)、動物の剥製、貝殻や枝などの素材にネオン管などの日常的なものをくみあわせ、現在の人間と神話や自然環境との新たな関係を探るガブリエル・リコ(1980〜、メキシコ生まれ、メキシコ拠点)、土地固有の歴史や文化など幅広い題材を、ときに意外な方法でつなぎ合わせてインスタレーションを制作する田村友一郎(1977〜、富山生まれ、京都拠点)、幼少時にヴェトナムから逃れてデンマークで育ち亀裂の入った東西の文化背景を持つヤン・ヴォー(1975〜、ヴェトナム生まれ、ベルリン拠点)。