柳橋水車図の世界

屏風一双の大画面に、金色の橋と柳を中心に水車、蛇籠などを描く柳橋水車図屏風は、画中画にも描かれるように17世紀初めに流行していたようで、20例以上の作品が現存している。描かれているモティーフは、和歌に詠われ名所にも選ばれた宇治を表し、宇治を舞台とした文学のイメージと重なる。また、金色の橋は、浄土など仏教的な世界へとつながる。今展では、香雪美術館が所蔵する長谷川等伯《柳橋水車図屏風》と関連する絵画や工芸などさまざまな作品を取り上げる。