板倉鼎・須美子展

千葉市 千葉市美術館 TEL.043-221-2311

開催期間:2024年4月6日(土)~6月16日(日)

埼玉県生まれの板倉鼎(いたくら・かなえ、1901〜29)は、幼い頃より松戸市で育ち、東京美術学校西洋画科在学中に早くも帝展への入選を果たした。1925年、ロシア文学者・昇曙夢(のぼり・しょむ、1878〜1958)の長女・須美子(すみこ、1908〜34)と与謝野鉄幹・晶子夫妻の媒酌により結婚。翌年ハワイ経由でパリに留学し、簡潔な形と鮮やかな色彩による詩的な構成に新境地を拓き、1927年にはサロン・ドートンヌに初入選。鼎の影響により油彩画を手がけていた須美子もホノルルの風物を描いた作品により同展で初入選を果たした。鼎は、須美子をモデルに、あるいは窓辺の静物に取材して精力的に制作を続け、多くの佳作を残したが、1929年、惜しくも28歳で客死。須美子と二人の娘も相次いで亡くなった。千葉市美術館では、2021年に、板倉鼎の遺族より鼎の作品33点を寄贈されたことから、鼎と須美子を長く顕彰してきた松戸市教育委員会の全面的な協力のもと、ふたりの画業を総覧。代表作を網羅するとともに書簡などの資料も展示し、夫妻の軌跡と作品世界の全貌を明らかにする。