中平卓馬 火—氾濫

千代田区 東京国立近代美術館 TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2024年2月6日(火)~4月7日(日)

戦後日本を代表する写真家の一人である中平卓馬(なかひら・たくま、1938〜2015)の没後初の本格的な回顧展。日本の戦後写真の転換期となった1960年代末から70年代半ばにかけて、実作と理論の両面において大きな足跡を印した中平の存在は、森山大道(1938〜)や篠山紀信(1940〜2024)ら同時代の写真家を刺激し、ホンマタカシ(1962〜)ら後続の世代にも多大な影響を与えた。今展では、1960年代末『PROVOKE』誌などに発表した「アレ・ブレ・ボケ」の作品、1973年の評論集『なぜ、植物図鑑か』、1975年頃から試みられ、1977年に病で中断を余儀なくされることとなった模索の時期の仕事、再起後の仕事の位置づけまで、未公開の作品を多数含む約600点の作品・資料により、中平の写真をめぐる思考と実践の軌跡をたどる。