福沢一郎展このどうしようもない世界を笑いとばせ

千代田区 東京国立近代美術館 03-5777-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2019年3月12日(火)~5月26日(日)

洋画家・福沢一郎(1898〜1992)は、はじめ彫刻家・朝倉文夫(1883〜1964)に師事したが、1923年の関東大震災を機に1924年から7年間パリに留学。アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」(1924年)やマックス・エルンスト(1891〜1976)の作品に大きな刺激を受け、彫刻から絵画へと制作が変化した。1931年に帰国後は、1939年に美術文化協会を結成するなど前衛美術運動のリーダーとなる。1941年にはシュルレアリスムと共産主義との関係を疑われ、瀧口修造(1903〜1979)とともに逮捕され、8ヶ月後に釈放される経験も持つ。晩年まで社会への批評的なまなざしと知的なユーモアとともに人間を鋭く見つめ、強い制作意欲を保ち続けた画業の今日的な意義を、初期から晩年までの作品約100点により考える。