藝大コレクション展2022 春の名品探訪天平の誘惑 

台東区 東京藝術大学大学美術館 TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2022年4月2日(土)~5月8日(日)

東京藝術大学のコレクションは、前身である東京美術学校の時代から135年にわたり収集されてきた芸術作品・資料で、その総数は3万件を超える。今年の藝大コレクション展では、もとは京都・浄瑠璃寺の《吉祥天女立像》(重要文化財、鎌倉時代)を収めた厨子の扉および背面板で、1869年に東京美術学校の所蔵となった《浄瑠璃寺吉祥天厨子絵》(重要文化財、1212年頃)全7面を、吉田立斎作《浄瑠璃寺吉祥天厨子》(模造、1914年)および関野聖雲作《吉祥天立像》(模造、1931年)とあわせ、立体的に展示(展示替あり)。このほか、《小野雪見御幸絵巻》(重要文化財、13世紀後半)や狩野常信《鳳凰図屏風》(17世紀)などの古美術から、長原孝太郎《入道雲》(1909年)、初公開の白川一郎《不空羂索観音》(1942年)といった近代洋画の逸品、狩野芳崖《悲母観音》(重要文化財、1888年)や橋本雅邦《白雲紅樹》(重要文化財、1890年)などの近代日本画の名品を展観する。フェノロサや岡倉天心らの奈良古社寺調査に同行した狩野芳崖が31社寺で調査した所蔵品や建築物を描き留めたスケッチを巻子装にまとめた《奈良官遊地取》(1886年)も興味深い。