狩野芳崖、継がれる想い—悲母観音からはじまる物語開館40周年記念

下関市 下関市立美術館 TEL.083-245-4131

開催期間:2024年2月6日(火)~3月17日(日)

長府藩(現・下関市)狩野派の御用絵師の家に生まれた狩野芳崖(1828〜88)は、江戸の木挽町狩野家で狩野派を学び、御用絵師として江戸と長府を往復していたが、明治維新後の1882年、アメリカから来日したフェノロサ(1853〜1908)と出会い、日本画の伝統に西洋絵画の写実や空間表現を取り入れた新しい日本画の創生を託された。今展では、はじめに芳崖の最初期から晩年までの作品を展観。続く「第一編 悲母観音からはじまる物語」では、近代日本画の幕開けとされる《悲母観音》(1888年、東京藝術大学蔵、重要文化財)を起点とした物語—菱田春草らによる東京美術学校での制作作品、芳崖四天王に数えられる岡倉秋水らによる悲母観音研究や芳崖作品の模写などを紹介。「第二編 仁王捉鬼図からはじまる物語」では、《仁王捉鬼図》(1886年、東京国立近代美術館蔵)に向き合う二人の日本画家、四宮義俊(1980〜)と坂本英駿(1988〜)の作品を紹介。改めて芳崖の近現代美術への影響について考える。