回顧展：大平洋一ヴェネツィアン・グラスの彼方へ

ガラス作家・大平洋一（おおひら・よういち、1946〜2022）を紹介する国内初となる大回顧展。小説を通してガラスに惹かれた大平は、ヴェネツィアに魅了され、作家となることを目指して26歳で渡欧。500年以上の栄華を誇るヴェネツィアン・グラスの伝統と歴史の重みに圧倒された大平は、自ら考案した作品の構想をもとに、ガラス職人との協働作業で作品を創り上げるスタイルに自身の進むべき道を見出した。西洋の古典的な美の軌範と東洋の工芸的な要素を巧みに調和させ、日本とヴェネツィア双方の文化や美意識の融合を目指した大平は、ついに普遍的な美しさをもつ独自のガラス表現へと到達した。国内外のガラス作品約150点を中心に、緻密なスケッチやドローイング、研究のために収集したガラス製造関連資料を併せて展示する。