蜷川実花：Self-image

写真家・蜷川実花（1972〜）の美術館では2回目の個展。2008年11月から2010年3月まで全国5会場を巡回し、18万人を動員した前回の展観が蜷川の全貌に迫ろうと企画された大規模展であったのに対し、今展は蜷川自身が「学生の頃から何度も通い、いつかここで展覧会が開けたらと思っていた」という元は個人の住宅であった原美術館の空間を舞台に、自ら約1年の準備期間をかけてインスタレーションを行なった。
1階は映像・音響インスタレーションと、カラー作品による「Noir」。窓に白黒のステンドグラスのような作品を展示した階段室を経て、2階はモノクロームの室内に、多くがモノクロームで撮られたセルフ・ポートレイト「Self-image」と、ある日の目黒川の桜を撮影した「PLANT A TREE」を展示。未発表作品を中心とする約150点により、蜷川写真の新たな魅力を提示している。