無言館と、かつてありし信濃デッサン館—窪島誠一郎の眼

静岡市 静岡県立美術館 TEL.054-263-5755

開催期間:2024年10月12日(土)~12月15日(日)

太平洋戦争で亡くなった画学生の絵を収蔵する「無言館」は、かつてあった「信濃デッサン館」を創設した窪島誠一郎(1941〜)が長野県上田市に1997年に開館。自身も東京美術学校(現・東京藝術大学)を繰上げ卒業後、従軍した画家・野見山暁治(1920〜2023)とともに遺族を訪ね、集めた作品を収めている。窪島が村山槐多、関根正二、野田英夫ら夭折の画家の作品に魅せられて1979年に開館した「信濃デッサン館」は、コレクション390点を長野県立美術館に譲り渡し2018年に閉館したが、2年後に「KAITA EPITAPH 残照館」と名を改めて再開している。今展では、ふたつの美術館をつなぐものとして、病と戦争の違いはあっても、最期まで絵筆を手放さず、絵を描き続けた若者たちの思い、絵を描かずにはいられないその魂に、作品を通して目を向ける。