東松山市 原爆の図丸木美術館 TEL.0493-22-3266
開催期間:2025年4月5日(土)~7月6日(日)

望月桂(もちづき・かつら、1886〜1975)は、日本でもっとも早いアンデパンダン展のひとつとされる黒耀会を結成した芸術家。黒耀会は、社会の革命と芸術の革命は自由獲得を標榜する点において不可分であると主張し、美術に限らず、文学や音楽、演劇など、さまざまな領域の表現者や労働運動家が参加して1919年に結成された。1922年頃に解散するまで4度の展覧会を開催し、プロレタリア美術運動の草分けとして評価されている。望月の活動はそれだけではなく、黒耀会結成前には、社会運動家や労働者の集う場として一膳飯屋を運営。また、読売新聞に漫画を描き、平凡社の百科事典の挿絵も手がけた。1938年から339年までは漫画雑誌『バクショー』を主宰し、東京美術学校で望月の同級生だった藤田嗣治も参加している。今展は、こうした望月の幅広い活動と、その活動に貫かれた自由と扶助の精神を紹介するもの。長年望月を研究してきた二松学舎大学准教授の足立元(美術史、社会史)の呼びかけにより、美術館学芸員や地元地域の関係者、美術・文学・社会畝翁などの研究者、アーキビスト、ジャーナリスト、編集者らにより組織された「望月桂調査団」には、望月を敬してやまない風間サチコ、卯城竜太、松田修といった現代アーティストも参加し、展覧会タイトルやロゴマークの考案、展示監修、映像制作といった役割を担っている。