平安文学、いとをかし—国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」と王朝美のあゆみ

千代田区 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内) TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2024年11月16日(土)~2025年1月13日(月・振休)

時代を超えて数多くの作品に影響を与えている平安時代の文学を題材とした絵画や書の名品と古典籍を紹介。国宝《源氏物語関屋澪標屏風》(1631(寛永8)年)は、『源氏物語』第14帖「澪標(みおつくし)」と第16帖「関屋(せきや)」を題材とした俵屋宗達(たわらや・そうたつ)晩年の傑作。国宝《和漢朗詠抄 太田切》(平安時代 11世紀)は、藤原公任(ふじわらのきんとう)撰『和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)』を書写した作品で、北宋からもたらされた唐紙(からかみ)に金銀泥でやまと絵の可憐な下絵を描いた料紙と漢字と仮名を組み合わせた優美な書との調和は、平安貴族たちを魅了した。重要文化財《住吉物語絵巻》(鎌倉時代 14世紀)と重要文化財《駒競行幸絵巻》(鎌倉時代 13〜14世紀)は修理後初公開。新発見の土佐光起(とさ・みつおき、1617〜91)による《紫式部図》(江戸時代 17世紀)も今展で初公開となる。また、初の試みとして現代の截金ガラス作家・山本茜(1977〜)の源氏物語シリーズより《空蝉》(2019年)と《橋姫》(2021年)を特別展示する。