夏と秋の美学—鈴木其一と伊年印の優品とともに—

港区 根津美術館 TEL.03-3400-2536

開催期間:2024年9月14日(土)~10月20日(日)

日本では古来、春と秋が好まれ、桜と紅葉を取り合わせる作品などが見出される。そうした伝統を受け継ぎながら、江戸時代になると夏と秋の組み合わせも目立ってくる。根津美術館所蔵の鈴木其一《夏秋渓流図屏風》(19世紀、重要文化財)は印象的な作例だが、そのルーツは、琳派の祖である俵屋宗達が主宰した工房の「伊年」印が捺された《夏秋草図屏風》(17世紀、根津美術館蔵)に遡る。今展では、美術作品によって初夏から晩秋まで移ろう季節の情趣を楽しみながら、そこに窺われる美意識の諸相に迫る。