カナレットとヴェネツィアの輝き

イタリア18世紀の画家カナレット（本名：ジョヴァンニ・アントニオ・カナル、1697〜1768）は、出身地であるヴェネツィアの都市景観を、精密な透視図法に基づいて描いたヴェドゥータ（景観画）と呼ばれる作品で知られている。カナレットの作品は、イギリスの上流階級の子弟たちが教育の最後の仕上げに経験したイタリア滞在（いわゆるグランド・ツアー）でヴェネツィアを訪れた旅行者たちによって熱烈に歓迎された。カナレット自身、イギリスにも赴き、多くの作品を制作している。今展では、イギリスの貴族たちが持ち帰った、あるいは画家がイギリスで描いた作品によって、カナレットの芸術とその魅力を紹介。ヴェドゥータを描いた次世代のイタリア人画家たち、彼らの影響下で制作をしたイギリス人画家たちによる作例や、近代の画家たちがヴェネツィアを描いた作品も紹介する。