アンチ・アクション彼女たち、それぞれの応答と挑戦

1950年代から60年代にかけての日本の女性美術家による創作を「アンチ・アクション」というキーワードから見直す展覧会。当時、日本ではフランスを経由して流入した抽象芸術運動「アンフォルメル」とそれに応じる批評言説の後押しを受けて、女性作家が前衛美術の領域で大きな注目を集めた。しかし次いで「アクション・ペインティング」という様式概念がアメリカから導入されると、男性性と親密な「アクション」という概念に男性批評家たちが反応し、伝統的なジェンダー理論の揺り戻しが生じて、女性作家たちは批評対象から外されていく。今展の学術協力者による『アンチ・アクション』（中嶋泉・著、2019年）のジェンダー研究の観点から美術史の読み直しを図り、草間彌生、田中敦子、福島秀子ら14作家による作品およそ120点を紹介する。