くまもとの絶景—知られざる日本最長画巻「領内名勝図巻」—

文京区 永青文庫 TEL.03-3941-0850

開催期間:2025年4月26日(土)~6月22日(日)

《領内名勝図巻》(りょうないめいしょうずかん、熊本県指定重要文化財)は、熊本藩のお抱え絵師・矢野良勝(やの・よしかつ、1760〜1821)と衛藤良行(えとう・よしゆき、1761〜1823)が、おもに熊本領内の滝や名所、川沿いの風景などの絶景を現地取材して全15巻にわたって描いた、写生図巻の先駆的作例。巻物は縦30cmほどの大きさが一般的だが、この作品は約60cmで大迫力のパノラマが展開する。さらに全巻の合計は400mに及び、日本最長の画巻とみられる。描かせたのは絵画好きとして知られる熊本藩8代藩主・細川斉茲(なりしげ、1759〜1835)。風景を愛好する大名たちのサロンで披露することを目的に制作させたといわれている。今展では、現存14巻のうちから選りすぐりの7巻を、現地写真とともに紹介する。