猪熊弦一郎展　夢をならべている

1975年から冬の間はハワイで、その他の季節は東京で制作を続けていた猪熊弦一郎（いのくま・げんいちろう、1902〜93）が80歳を超えてから制作した作品を紹介。初期の写実的な具象からデフォルメの効いた具象へ、さらに抽象へと作風が変化した猪熊が晩年に制作したのは、具象も抽象もない、形はすべて面白く美しいバランスでできていると考え、それらを自分の秩序で絵の中に住まわせた作品。丸や四角といった形も、何とも形容できない形も、顔や鳥といった生きものの姿も区別なく、さまざまな形が共存する絵画を描いた。
カナダを拠点に活動するジャネット・カーディフ（1957〜〕によるサウンドインスタレーション作品《40声のモテット》（2001年）を展観する「ジャネット・カーディフ　40声のモテット」を同時開催。