台東区 東京都美術館 TEL.03-3823-6921
開催期間:2025年11月18日(火)~2026年1月8日(木)
近世から続く江戸の刺繍職人の家に生まれ、伝統的技法に基づきながら革新的な表現を追い求め、帝展・新文展・日展を主な発表の場とした平野利太郎(ひらの・りたろう、1904〜94)。西洋の伝統刺繍技法を土台に羊毛の糸を用いた絵画的な刺繍作品を発表し、日本手芸普及協会の会長も務めた尾上雅野(おのえ・まさの、1921〜2002)。絵や映像を介して目にし、記憶した風景や事物を、自由なステッチで画面上につくり上げていく岡田美佳(おかだ・みか、1969〜)。自分の奥底に流れる時間や感覚を確かめるかのように、日々、糸を刺し続ける伏木庸平(ふせぎ・ようへい、1985〜)。ベンガル地方で古布再生や祈りの思いから生まれ継承されてきたカンタと呼ばれる針仕事に共鳴した望月真理(もちづき・まり、1926〜2003)。以上の5名の刺し手たちの活動をみつめ、針と糸というシンプルな道具とともに続けられてきた「刺繍」といういとなみの意味と可能性について考える。
日本近現代の糸と針と布による造形を東京都コレクションにみる「刺繍がうまれるとき」展を同時開催。
