野村正治郎とジャポニスムの時代着物を世界に広げた人物

佐倉市 国立歴史民俗博物館 TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2025年10月28日(火)~12月21日(日)

京都の美術商であり、着物を中心に近世日本の染織品を収集していた野村正治郎(1880〜1943)が築き上げた服飾品・装身具の一大コレクション「野村正治郎衣裳コレクション」(国立歴史民俗博物館蔵)は、着物、衣桁にかかった着物をかたどって貼装した「時代小袖雛形屛風」、袖形に装幀した小袖裂など、その資料数は1,141件におよぶ。今展では、国内外に着物の美と重要性を発信した正治郎の生涯について、第1章では美術商として西洋人を相手にした正治郎の販売戦略や国外に着物の美を伝えた様子を紹介し、第2章ではコレクターとして正治郎が日本国内で着物の重要性を啓発する役割を果たした様子を明らかにする。総展示数は、重要文化財3点を含む140点。うち着物資料は、酒井抱一筆《梅樹下草模様小袖》(重要文化財)など約30点。近年再発見された振袖も約100年ぶりに公開される。発信する側からジャポニスム(日本趣味)を捉えた新たな視点も注目を集めている。