再開館記念「不在」—トゥールーズ＝ロートレックとソフィ・カル

三菱一号館美術館では、2020年の開館10周年記念展として企画された「1894 Visions ルドン、ロートレック」の開催に際し、現代フランスを代表するアーティストのソフィ・カル（1953〜）を招聘する予定だったが、パンデミックにより来日を見送らざるを得ず、現代アーティストとの協働というプロジェクトは、リニューアルオープン最初の今展に持ち越されることになった。今展では、三菱一号館美術館のコレクションを代表するアンリ･ド･トゥールーズ＝ロートレック（1864〜1901）の作品を改めて展示し、そこにソフィ・カルを招聘し協働することで、美術館活動に新たな視点を取り込み、今後の発展に繋げていくことをめざす。2019年に三菱一号館美術館を訪れたソフィ・カルが公開される期間が限られているルドンの《グラン･ブーケ（大きな花束）》の「不在」に着想を得て制作したソフィ・カルの《グラン･ブーケ》(2020〜21年)を初公開するほか、これまでの代表作も紹介する。