芸術家たちの南仏

19世紀に鉄道が発達すると、ヨーロッパ北部の人々が地中海沿岸へ旅行するようになり、地中海や山々に囲まれた豊かな自然やまばゆい光が芸術家たちを惹きつけ、陶芸などその地に根ざす伝統的な技法に創作意欲を刺激されることもあった。一方で南仏は、第二次世界大戦中に「敵性外国人」として収容された人々や、他国への亡命を目指して湊を訪れた人々が作品を生み出す場でもあった。芸術が展開した場としての南仏に注目し、この地で広がりをみせた交流や、表現あるいは技法について、国内の美術館などが所蔵する約30作家の作品と関連資料およそ150点を通して紹介する。