太宰府市 九州国立博物館 TEL.050-5542-8600(ハローダイヤル)
開催期間:2020年12月1日(火)~2021年1月24日(日)
室町時代以降、茶の湯の広まりとともに、舶来の古くて美しい染織品の蒐集が盛んになった。そうした裂(きれ、織物)のうち16世紀ごろまでに日本に渡ってきていたものは、茶人に愛され名物と極められたことから「名物裂(めいぶつぎれ)」と呼ばれている。百万石で名高い加賀文化の礎を築いた前田家第3代の前田利常(1593〜1658)は、茶事に通じ、茶の湯を彩る裂も積極的に蒐集した。九州国立博物館が所蔵している前田家旧蔵の裂帖(きれちょう)は、利常が長崎・平戸などで集めた裂を貼り合わせたもの。墨跡の表具に用いる印金や金襴など格式高い織物が多数収められている。この裂帖の修理完了にあたり、名物裂の粋を集めた展示を行う。