鏨（たがね）の華—光村コレクションの刀装具—

明治時代に美術印刷業を興した実業家・光村利藻（みつむらとしも、1877〜1955）が刀剣外装（拵、こしらえ）の金具に魅せられて築いた3000点を超えるコレクションは、明治42年（1909）に初代根津嘉一郎（1860〜1940）が所蔵することとなり、現在も根津美術館に約1200点が伝わり、日本最大級の刀装具コレクションとなっている。光村は刀装具の名品を集めた図録の刊行や、自ら発注主となって名工たちに刀剣・刀装具、日本画などを製作させることも行なった。光村コレクションを中心に、美術品としての刀装具の魅力を紹介する。