鳥々 藤本能道の色絵磁器

港区 菊池寛実記念 智美術館 TEL.03-5733-5131

開催期間:2025年6月7日(土)~9月28日(日)

藤本能道(ふじもと・よしみち、1919〜92)は、写実的で奥行のある色絵を追求し、1986年に「色絵磁器」の重要無形文化財保持者に認定された。絵具の濃淡でモチーフを立体的に描き、それを白磁の肌と一体化させて見せるために、背景を表す技法として「釉描加彩(ゆうびょうかさい)」を開発。主なモチーフである鳥を描いた色絵の下層に水彩画のような淡い景色を表すことで、器の奥へと広がる写実的な、それでいてやきものの文様としての抽象性も有する独自の表現を生み出した。今展では、1970年代半ばから最晩年となる91年までを中心に、素材や技法を開発して色絵磁器に取り組んだ充実期の作品を通して、藤本の表現の深化と技術の関係に迫る。