純粋を追い求めて—ビュフェの進化の軌跡をたどる

フランスの画家ベルナール・ビュフェ（1928〜1999）は、10代後半から画家として頭角をあらわし、20歳で批評家賞を受賞するなど、若くしてフランス美術界の寵児となった。黒く鋭い輪郭線とモノトーンに近い色調がビュフェならではの独自のスタイルとして称賛されたが、その一方で、明るい色を用いた室内画や静物画も制作するようになり、ひとつの枠に収まりきらない芸術を展開した。今展では、章ごとに転機となった年を取り上げ、各時期の表現の広がりを見ていく。ビュフェはテーマをつねに変えていたが、生涯を通じて「純粋」に描くことを追求していた造型世界を、約80点の作品により探っていく。