立石鐵臣展麗しき故郷「台湾」に捧ぐ

府中市 府中市美術館 TEL.03-5777-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2016年5月21日(土)~7月3日(日)

台湾で生まれた立石鐵臣(たていし・てつおみ、1905〜1980)は、少年期に帰国して、初め日本画家を志すが、21歳で洋画に転向し、岸田劉生、後に梅原龍三郎に師事。1933年の台湾旅行が契機となり、1934年7月から1936年3月には台湾の画家として活動。1939年には台北帝国大学の招きで農学部嘱託となり、この機に細密画描法を自得したという。編集、表紙装幀、挿画を担当した雑誌『民俗台湾』の創刊をはじめ、出版関係や美術批評でも活躍した。敗戦により1948年にやむなく帰国。はじめは台湾の風景画を、後には抽象画と細密画の要素を合体させた独自の油彩画を描き国画会への出品を続けた。一方で、図鑑の標本を描く細密画家としての名声も得ている。台湾でも近年研究と再評価が進められている立石の、全貌に迫る第一歩としての国内初の回顧展。