生誕110年 岡本太郎—パリから東京へ

鳥取市 鳥取県立博物館 TEL.0857-26-8042

開催期間:2021年2月11日(木・祝)~3月21日(日)

岡本太郎(1911〜1996)は、1929年、漫画家の父・岡本一平のロンドン軍縮会議の取材旅行に同行し、東京美術学校を休学して渡欧。以後、1940年の帰国まで一人パリに滞在したが、この間の1933年、ハンス・アルプやカンディンスキーらが所属していた前衛芸術家の団体「アブストラクシオン・クレアシオン(抽象創造協会)」に参加し、多くの前衛芸術家たちと親交を深めた。なかでもクルト・セリグマン(1900〜1962)と意気投合したことで「ネオ・コンクレティスム(新具象主義)」を標榜。岡本の表現は、抽象を離れ、次第に具体的な要素を表出するようになる。今展ではアメリカへ渡ったセリグマンの選出によるアメリカ人作家の作品を加えた「第3回読売アンデパンダン展」(1951年)、ジャン・フォートリエ、カレル・アペル、グロッシらの作品を紹介した「世界・今日の美術展」(1956年)などの記念碑的な展覧会を取り上げ、オーガナイザーとしての岡本の役割を検証。戦後日本の美術界にもたらした影響についても考証する。