熊本—東京 画家たちの上京物語

熊本市 熊本県立美術館 TEL.096-352-2111

開催期間:2014年7月19日(土)~8月31日(日)

坂本善三(1911〜1987)、大塚耕二(1914〜1945)、浜田知明(1917〜)という熊本を代表する画家たちが上京したのは、1920年代末から30年代初頭。熊本が都市整備事業によって「大熊本」へと変貌し、東京が関東大震災からの復興の中で新たな「帝都」へと生まれ変わりつつある時代だった。
その後、大塚は戦場で命を落とし、坂本は熊本で独自の抽象世界を開拓した。シベリア抑留から帰国した浜田は、東京で《初年兵哀歌》(1951〜54年)をはじめとする銅版画作品を発表。1957年に熊本に帰って制作を続け、近年は立体造形にも挑んでいる。
作品だけでなく、当時の時代背景や社会状況、熊本や東京の様子を示す資料も展示することにより「時代の空気」の再現を試みる展観。こうした資料も含めた図録(B5判 276ページ 2,000円)には、浜田知明へのインタビューも収録されている。