河野次郎と明治・大正の画人ネットワーク

宇都宮市 栃木県立美術館 TEL.028-621-3566

開催期間:2015年1月10日(土)~3月22日(日)

足利藩出身の画家で、同じく画家となった河野通勢の父である河野次郎(1856〜1934)の画業を紹介する初の展観。足利市立美術館が、次郎の孫にあたる河野恒人氏から、次郎と通勢の作品453点の寄贈を受けたことから実現した。次郎は田崎草雲に南画を師事し、のちに洋画も学んでいる。一説には高橋由一に師事したともいう。師範学校の教員を務めながら画塾を開き、洋画の教科書の編纂も手がけた。ハリストス正教会の熱心な信徒で、西洋古典美術への造詣が深く、通勢は幼い頃から父の蔵書よりミケランジェロやダ・ヴィンチを模写していた。
今展では、寄贈作品に加え、長野県信濃美術館や名古屋市美術館ほかの所蔵作品・寄託作品をあわせ、次郎の絵画や資料100点以上を中心に、師・田崎草雲や高橋由一、子・通勢や通勢とも親しかった牧島如鳩の作品も展示し、足利を中心とした画家たちのネットワークの一端を紹介する。