森村泰昌：自画像の美術史—「私」と「わたし」が出会うとき

1985年、ゴッホの自画像に扮したセルフ・ポートレイト写真作品《肖像（ゴッホ）》を発表し、高い評価を獲得して以来、一貫して「自画像的作品」をテーマに作品を作り続けている美術家・森村泰昌（1951〜）の、地元・大阪の美術館では初めての大規模個展。第1部「自画像の美術史」は、これまでの代表作に加え、レオナルド、デューラー、レンブラント、松本竣介、青木繁、村山塊多らの自画像に扮した新作、未発表作品49点を含む作品132点で構成。第2部「「私」と「わたし」が出会うとき」では、映像作家・藤井光を起用し、自画像を描く芸術家たち12名に森村が扮し、森村自身を加えた13名が登場して自画像が描き出す「私」とは何かを論じる、全編60分を超える新作の映像作品を発表する。第2部の映像作品を見た後に第1部を見ると、森村の構想がより理解される。