日本画の棲み家—「床の間芸術」を考える

港区 泉屋博古館東京 TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2023年11月2日(木)~12月17日(日)

明治時代に西洋に倣った展覧会制度が導入されると、従来、住宅の床の間や座敷を「棲み家」としていた日本絵画を展覧会場へと住み替えさせ、画面の巨大化、濃彩化が進んでいく。今展では、こうした時代の中で、住友家第15代住友吉左衞門友純(1864〜1926、号:春翠)が築いた数件の近代和風建築の邸宅の床の間を実際に飾った日本画を紹介。大正時代以降、旧態依然とした作品を揶揄する言葉として「床の間芸術」という用語が登場したが、竹内栖鳳や川合玉堂といった一部の画家は展覧会芸術と対置する表現のスタイルとして積極的に肯定した。家の中から床の間が消えつつある現代の若手作家6名に依頼して制作された新しい概念の「床の間芸術」も紹介する。