戸谷成雄 森—湖：再生と記憶

彫刻家・戸谷成雄(1947〜）は、ポスト・ミニマリズムやもの派といった潮流の中で解体された「彫刻」の概念の再構築を試み、一貫して彫刻の原理とその構造を追求し、その本質と可能性を提示し続けてきた。今展では、ダムの建設により誕生した人工湖のほとりにたたずむ美術館の時空間をひとつのインスピレーションとして、戸谷の代表的な技法である製材された木のブロックをチェーンソーで彫り刻んだ大型の彫刻作品や、刻まれて生まれた木片によるインスタレーションなど、〈森〉〈土地〉〈水脈〉に連なる作品を展観する。