建築家・大髙正人と鎌倉別館

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館を設計した建築家・大髙正人（1923〜2010）は、ル・コルビュジエに学んだ前川國男（1905〜1986）の下で神奈川県立図書館・音楽堂（1954年）や東京文化会館（1961年）を担当し、独立後は横浜みなとみらい地区などの総合的な都市計画を手がける一方で、風土に根ざした地方都市の町づくりを推進した。改修に伴う長期休館を前にオリジナルの建築意匠で見られる最後の企画展。美術批評家・土方定一（1904〜1980、元神奈川県立近代美術館館長）らと運営に当たり会場構成も担当した二つの野外彫刻展「宇部・須磨」、千葉県立美術館（1972〜80年）、福島県立美術館（1984年）の設計をはじめとする大髙正人の美術関連の仕事に焦点を当てながら、1984年の開館以来鎌倉別館で開催してきた展覧会や資料を中心に、33年間の活動を振り返る。