出来事との距離 —描かれたニュース・戦争・日常

町田市 町田市立国際版画美術館 TEL.042-726-2771

開催期間:2023年6月3日(土)~7月17日(月・祝)

フランシス・ゴヤ(1746〜1828)の対仏独立戦争(1808〜14年)の悲劇などを描いた名作『戦争の惨禍』は、ゴヤの生前には公開されず、実際に世に出たのは作品が制作されてから40年以上が経過した1863年のことだった。江戸期の浮世絵は、同時代の事件を描けなかったため、故事や古典になぞらえて時事を伝えようとしている。1951年に銅版画『初年兵哀歌』で自身の軍隊経験を描いた浜田知明(1917〜2018)は、時を経るにつれ戦争の構造に迫る作品も発表していった。今展では、時代や立場によって表現できることが異なることに注目し、ニュースや戦争を描いた館蔵の作品を紹介。事件の現場を取材したり、当事者の姿と向き合うことにより制作を行っている若手アーティストたちのさまざまな作品も紹介する。