東松山市 原爆の図丸木美術館 TEL.0493-22-3266
開催期間:2020年11月7日(土)~2021年1月24日(日)
現代日本画を代表する内田あぐり(1949〜)は、近年、絵画素材・技法研究の活動を通じて、日本画家・丸木位里(1901〜1995)と洋画家の妻・丸木俊(1912〜2000)の共同制作《原爆の図》や《沖縄戦の図》に関心を寄せ続けてきた。また内田は、絵画において身体をテーマに人間存在の根源を探求し続けてきた画家であり、位里と俊が積み重ねてきた絵画の主題と通底している。今展では、導入部で、内田と位里、そして内田と俊の、それぞれの人間表現が呼応しあう展示空間を形成。大展示室では、内田が描きおろした横8メートルに及ぶ新作を発表し、同じ空間に半世紀以上前に位里が描いた抽象性の高い絵画を配置する。こうした展示により、時代を超えて受け継がれる画家の表現の系譜を再考。内田の絵画を歴史的な時間軸に位置づけると同時に《原爆の図》をはじめとする位里と俊の絵画に再び命を吹き込み、今日的な解釈の可能性を拓こうと試みる。