フィリア—今道子

写真家・今 道子（こん・みちこ、1955〜）の日本の美術館では初の個展。市場に並ぶ魚や野菜などの食材や、靴、帽子といった日常的なモノを素材にそれらを組み合わせたオブジェを創り、自然光で撮影して印画紙に焼き付ける独自の手法を用いて生み出される精緻な構成と詩的喚起力に富んだモノクロームの世界は、最初の写真集『EAT』（1987年）以来一貫しており、第16回木村伊兵衛写真賞受賞（1991年）をはじめ、国内外で高い評価を得てきた。鎌倉を拠点に40年にわたり制作してきた作家の軌跡を、初期の代表作からメキシコ国立写真美術館での個展（2017年）以降の近作を含む、モノクロ70点余とカラー7点、ポラロイド16点などにより紹介する。