バーネット・ニューマン 十字架の道行き—レマ・サバクタニ(何故我を見捨てたもう)

甲賀市 MIHO MUSEUM TEL.0748-82-3411

開催期間:2015年3月14日(土)~6月7日(日)

バーネット・ニューマン《十字架の道行き》展示風景
(ワシントン・ナショナル・ギャラリー「七人のアメリカの巨匠展」1986年6月4日―11月15日より)
Photo by Kathleen Buckalew. National Gallery of Art, Washington, Gallery Archives

アメリカ抽象表現主義を代表する作家のひとりであるバーネット・ニューマン(1905〜1970)が1958年から8年の歳月をかけて制作し、1966年に美術館での初の個展となったグッゲンハイム美術館での「十字架の道行き:なぜ神は我をすてたもう」展で発表した連作《十字架の道行き》14点と《存在せよⅡ》のあわせて15点(ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)を、アジアで初めてMIHO MUSEUMのみで展示する。
「十字架の道行き」は、イエス・キリストが死刑判決を受け、十字架を負ってゴルゴタの丘に登り、処刑され埋葬されるまでを14の画面に描くキリスト教美術の伝統的な主題のひとつだが、ニューマンは《存在せよⅡ》を加えて15点の作品とし、キリストの絶叫「レマ・サバクタニ」を借りて「人間の苦悩をめぐる、答えることのできない問い」を表現している。
MIHO MUSEUMの創立者である小山美秀子(1910〜2003)が、1978年に開館したばかりのワシントン・ナショナル・ギャラリー東館を見て感銘を受け、同ミュージアムの建築をI.M.ペイ(1917〜)に依頼したことに始まり、1997年のMIHO MUSEUMグランドオープンに招待され、緑豊かな山中に佇むペイの建築に強い印象を受けていたワシントン・ナショナル・ギャラリーのアール・A・パウエル3世館長より、東館の一時閉鎖に伴いニューマンの最高傑作《十字架の道行き》全15点をぜひMIHO MUSEUMに展示したいとの提案があり、この特別展示が実現した。