弘前市 弘前れんが倉庫美術館 TEL.0172-32-8950
開催期間:2025年4月4日(金)~11月16日(日)

未来をうらなう若いアーティストたちの作品と、津軽地方の人間の営みに連なる作品を織り交ぜながら、新しい生態系〈ユートピア〉について考える展覧会。複数のジャンルを横断して制作を行っている川内理香子(かわうち・りかこ、1990〜)は、2024年から新たに取り組んでいる刺繍作品を、昨年度より継続的に弘前の街中や近郊の地域でリサーチを重ねてきた佐藤朋子(さとう・ともこ、1990〜)は、「語り」を取り入れたレクチャー形式の新作を発表する。日常生活の隣に息づく新旧の生態系に目を向ける渡辺志桜里(わたなべ・しおり、1984〜)は、水を循環させることで生態系を可視化する渡辺の代表作《サンルーム》の新作を、この土地の生物たちに焦点をあてて発表。さらに、弘前市出身の奈良美智(なら・よしとも、1959〜)の新作絵画《Girl from the North Country (Study)》(2025年)や故郷とのつながりを示す作品を展示する。また、旧陸軍第八師団(弘前)の軍医であった祖父と、弘前生まれの父の人生と土地の歴史をテーマに、フィクションとドキュメンタリーが入り交じった物語が展開する小林エリカ(こばやし・えりか、1978〜)のインスタレーションや、縄文時代の土器に着想を得た大巻伸嗣(おおまき・しんじ、1971〜)の版画作品など、津軽地方の風土、歴史、民俗、文化との出会いから生まれたコミッション・ワークによるコレクション作品や、こぎん刺しや土器といった地域の歴史や文化にまつわる資料も紹介する。