遊亀（ゆき）と靫彦（ゆきひこ）—師からのたまもの・受け継がれた美

日本画家・小倉遊亀（大津市生まれ、1895〜2000）の作品を国内で最も多く所蔵する滋賀県立近代美術館の開館30周年特別展。師・安田靫彦（1884〜1978）の生誕130年にもあたる。
今展で注目するのは、遊亀の奈良女高師時代の恩師で大和の生き字引といわれた日本史の水木要太郎（1865〜1938）。奈良に国内留学していた靫彦に慕われた歴史学者でコレクターとしても知られる。遊亀と靫彦の作品、水木の旧蔵品、靫彦の愛蔵品や、3人の交友を伝える資料を通じて、水木が二人の画人にもたらしたものを検証。1927年の院展入選作で所在不明だった小倉遊亀筆《挿花小女之図》が発見され87年ぶりに公開されることも話題を呼んでいる。