硲伊之助展

中央区 アーティゾン美術館 TEL.050-5541-8600(ハローダイヤル)

開催期間:2025年3月1日(土)~6月1日(日)

硲伊之助(はざま・いのすけ、1895〜1977)は、1912年、太平洋画会展やヒュウザン会展へ出品し、16歳で画壇に登場。1914年、《女の習作》で第1回二科賞を受賞するなど若くして注目された。その後、フランスへの留学を経て、春陽会や日本版画協会でも活躍したほか、一水会の創立に加わり、文化学院や東京美術学校(現・東京藝術大学)で後進の絵画指導にもあたった。今展では、これまで取りあげられてこなかったコレクターとしての一面に注目し、現在アーティゾン美術館に収蔵されているマティス《コリウール》(1905年)、ルソー《イヴリー河岸》(1907年頃)が、硲が渡欧中に購入した作品であること、アーティゾン美術館の創設者・石橋正二郎がセザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》(1904〜06年頃)、マティス《縞ジャケット》(1914年)を入手する際にも関わったと伝えられていることなどを紹介。さらに、1951年にマティス展とピカソ展、1952年にブラック展、1958年にゴッホ展がそれぞれ国内で初めて開催されたことや、コロ、クールベ、セザンヌ、ヴァン・ゴッホ、マティスなどの画集や書籍にも携わったことを紹介する。晩年に石川県の加賀市に設立した吸坂(すいさか)窯での陶芸作品も含め、油彩画、版画、磁器など約100点の作品と資料を展観。