百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉—江戸博物学と工芸の融合重要文化財指定記念

港区 根津美術館 TEL.03-3400-2536

開催期間:2024年11月2日(土)~12月8日(日)

阿波徳島藩主・蜂須賀家に伝来し、根津美術館で所蔵する《百草蒔絵薬箪笥》は、徳島藩のお抱え蒔絵師である飯塚桃葉(初代、?〜1790)が制作したもので、蒔絵史や薬学史、近世史などさまざまな観点から貴重な作例であることから、2024年、国の重要文化財に指定された。今展では、銀の合子をはじめとする豪華な内容品の全容を披露すると同時に、蓋裏に精緻な研出蒔絵で表された百種の薬用の草や昆虫と、当時制作されたさまざまな「植物図譜」との関係から、本作の制作背景を18世紀後半の博物学と美術の諸相の中に探る。また、飯塚桃葉の代表作をまとめて紹介する初の展覧会となる。