森羅万象を刻む—デューラーから柄澤齊へ

町田市 町田市立国際版画美術館 TEL.042-726-2771

開催期間:2016年4月29日(金・祝)~6月19日(日)

「エングレーヴィング(直刻銅版画)」と「小口木版画」の魅力に迫る展観。版の素材が銅板と小口木版(木の年輪面)、版の種類は凹版と凸版と異なるが、いずれも1ミリの間に10本以上の線を刻むことができる「ビュラン」と呼ばれる彫刻刀で版を直接刻むところが共通しており、さまざまな質感や量感が線のみで表現されている。エングレーヴィングの表現の可能性を追求し、完成させたアルブレヒト・デューラー(1471〜1528)ら西洋の画家たちから現代までのさまざまな作品約200点を紹介。展覧会に企画協力し、図録に「汎版論—表象としての版とビュラン—」を執筆している小口木版画家・柄澤齊(からさわひとし、1950〜)の今展のための新作版画、ビュランを手にしたデューラーの肖像を描いた《DÜRER》(2016年、小口木版)が、図録巻頭に挟み込まれている。