東海道の美 駿河への旅

1601（慶長6）年、徳川家康（1543〜1616）が江戸幕府開府に先んじて五街道の整備に着手し、江戸と京都を結ぶ東海道に53の宿駅を設置。その後、参勤交代の行列や外国使節、旅人の往来などで大いに賑わい、東海道図屏風や歌川広重の《東海道五十三次》など、「東海道」を主題にした絵画が数多く描かれた。一方、東海道は詩書画を好む駿河の文化人たちと京や江戸の絵師たちとの交友を可能にし、池大雅（1723〜76）・与謝蕪村(1716〜83）らの文人画や円山応挙（1733〜95）に始まる円山四条派、江戸の司馬江漢（1747〜1818）の洋風画など多彩な絵画が展開。駿河の人々に歓迎された。今展では、東海道が育んだ駿河の美術や文化を紹介する。開館10周年記念として2020年開催を予定していたが今会期に延期された。