山口蓬春と福島—その色褪せぬ美が伝えるもの—山口蓬春生誕130周年記念

今年10月に生誕130周年を迎える山口蓬春（1893〜1971）は、生涯を通じて新しい日本画の創造に邁進し、多くの作品を生み出した。戦後間もない1947年、風光明媚な神奈川県葉山に移り住んだ蓬春は、戦争という暗い時代を払拭するような冴えわたる色彩の《山湖》を発表したが、この作品は福島の裏磐梯で取材したもの。彼の画業を振り返ると福島の自然を題材にしている作品が多く見受けられることから、今展では、福島に取材した作品を中心に、蓬春の美への追求について回顧する。