堤清二 セゾン文化、という革命をおこした男

百貨店での美術催事の歴史は古いが、企画展専用の美術館の嚆矢は1975年池袋の西武百貨店内に開設された「西武美術館（のちセゾン美術館）」であり、認知度の低かった現代美術などを取り上げて観客に衝撃を与えた。1970年代から80年代にかけて、西武流通グループ（のちセゾングループ）を率いた堤清二（1927〜2013）は、優れたクリエイターを起用したイメージ戦略にも長け「セゾン文化」と呼ばれるひとつの時代を築いた。パウル・クレー、ジャスパー・ジョーンズ、辰野登恵子まで、セゾン現代美術館のコレクションを中心にその足跡を紹介する。