古筆切—わかちあう名筆の美—

港区 根津美術館 TEL.03-3400-2536

開催期間:2024年12月21日(土)~2025年2月9日(日)

古筆(こひつ)とは本来、古(いにしえ)の人の筆跡という意味だが、狭義には平安から鎌倉時代の優れた筆跡をさす。平安時代の貴族たちは『古今和歌集』をはじめとする勅撰和歌集や私家集などの書写を書に秀でた人に依頼し、贈答品や調度品などとして用いた。こうして当代一流の能書家によって映された歌書などが、室町時代以降の茶の湯の流行や鑑賞のために一紙や一頁、場合によっては数行単位で切断・分割されるようになり、これを古筆の断簡、すなわち「古筆切(こひつぎれ)」と呼ぶ。今展では、新たに根津美術館の所蔵となった重要文化財《高野切(こうやぎれ)》(伝 紀貫之筆、平安時代・11世紀)をはじめとする古筆切を中心に展示する。「一行の書」「古代中国鏡のミクロコスモス」「初月(しょげつ)の茶会」を同時開催。