中林忠良展:未知なる航海—腐蝕の海へ

須賀川市 CCGA現代グラフィックアートセンター TEL.0248-79-4811

開催期間:2016年6月11日(土)~9月11日(日)

エッチング技法における銅版の腐蝕を、単なる製版のプロセスではなく自らの作品哲学を支えるものとして制作を続けてきた銅版画家・中林忠良(1937〜)。その腐蝕室の扉に掲げている「Unknown Voyage(未知なる航海)」という言葉は、腐蝕という現象が完全に意のままになるものではないことを忘れないため、自身に課した一種の戒めだという。師・駒井哲郎(1920〜1976)の死、腐蝕で発生する有害物質による自身の体調不良などを契機に、1977年に開始された〈Position〉、1979年から現在まで制作されている〈転位〉の両シリーズを中心に、初期から現在までの主要な作品、オリジナル版画集、オリジナル版画・文集など78点を展示。半世紀を超えた銅版画制作という航海の足跡を辿る。