てくてく東海道—北斎と旅する五十三次開館記念展Ⅲ

「東海道五十三次」といえば歌川広重（1797〜1858）の人気シリーズが思い出されるが、葛飾北斎（1760〜1849）は、広重より約30年も早く「東海道五十三次」シリーズを手がけて人気を集めていた。広重のシリーズは風景を描いたものが多いが、北斎作品は小さな画面にその土地の風俗や名物などを描いたものが多い。今展では、ほかでは所蔵を知られていない《春興五十三駄之内》（摺物71枚、享和4年(1804)、すみだ北斎美術館蔵）の初摺を揃いで初公開するほか、いくつかのシリーズの作品を「旅のグルメ」「名所」「パワースポット」などテーマごとに分けて紹介する。