辻永 ふたつの顔を持つ画家—油彩と植物画—

水戸市 茨城県近代美術館 TEL.029-243-5111

開催期間:2022年10月25日(火)~12月11日(日)

広島生まれの辻永(つじ・ひさし、1884〜1974)は、生後ほどなく父の仕事の関係で水戸に移り、この地で育った。東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科で黒田清輝や岡田三郎助に学び、在学中から白馬会展に入選。卒業後、文部省美術展覧会(文展)に第2回展から出品し、帝展、新文展、戦後は日展の初代理事長を務めるなど、大正から昭和の洋画壇で活躍した。一方、植物学者をめざしたこともあったほど少年の頃から植物を愛し、生涯にわたって2万枚以上ともいわれる植物画を描き続けていた“もうひとつの顔”を持っていた。今展では、自宅で飼っていた山羊を描き「山羊の画家」としてスタートした初期の作品から後年の風景画にいたる油彩画約50点と、自身の楽しみとして描いた植物画約60点を紹介する。